皮膚の構造|港区麻布の美容皮膚科・精神科|Family Total Healthcare Clinic AZABU

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お悩み別フォーマット WORRIES

肌を知ることは、自分自身の健康と向き合うこと。

私たちの体を覆う「皮膚」は、毎日外部からの刺激を受ける臓器です。乾燥、かゆみ、シミ、しわなど、肌に現れるさまざまな変化は、年齢や季節の影響だけでなく、体の内側の状態とも深く関係しています。 肌は「健康の鏡」とも言われ、日々の体調や生活習慣がそのまま表れるからです。けれども、私たちは肌の不調を感じたとき、まずは市販のスキンケア商品や化粧品で「なんとなく」対処しようとすることが多いのではないでしょうか? 保湿クリーム、美白美容液、エイジングケア化粧品……。こうした製品が肌のトラブルにどう作用し、どこまで効果があるのか、そしてそれと比較して医療機関での治療がどのように違うのか。 正しい知識をもとに、自分の肌と向き合うことが、健康な肌づくりへの第一歩になります。

肌の構造を知っていますか?

皮膚は大きく「表皮」「真皮」「皮下組織」の3つの層から成り立っており、それぞれが異なる役割を持ちながら連携し、外界から身体を守っています。これらの層が働くことで、皮膚には主に6つの重要な機能が備わっています。 まず挙げられるのは「バリア機能」です。皮膚は体の外と内を隔てる境界として、水分の喪失を防ぎつつ、紫外線や細菌、ウイルス、化学物質、異物などの侵入を防ぎます。また、外部からの物理的な衝撃からも体を守っています。 次に「免疫機能」があります。万が一、微生物や異物がバリアを突破して体内に侵入した場合でも、皮膚はそれらを排除し、感染症を防ぐ役割を果たしています。 さらに皮膚は「センサー(感覚器)」としての機能も持っています。触覚や圧覚、痛覚、温覚、冷覚など、多様な感覚を受け取り、外界の変化を敏感に察知することができます。 「体温調節」も皮膚の大切な役割のひとつです。汗を分泌することで水分の蒸発を利用し、体温を一定に保つ仕組みが備わっています。 また「分泌機能」として、皮脂や汗を分泌し、皮膚表面を潤すことでバリア機能を維持しています。 最後に「代謝機能」があります。皮膚は紫外線を浴びることでビタミンDを合成し、カルシウムの吸収や骨の代謝に関わるなど、身体のさまざまな生理作用に関与しています。 このように皮膚は単なる外側の覆いではなく、複数の層と機能が一体となって、私たちの健康を支える重要な役割を担っているのです。

皮膚は表面から表皮・真皮・皮下組織の3つの層で構成されています。 一番外側にある「表皮」は、わずか0.1〜0.2mmという薄さながら、体のバリア機能の中核を担っています。外的刺激から身を守り、内部の水分が逃げるのを防ぐこの層の最も外側は「角質層」と呼ばれ、すでに死んだ細胞(角質細胞)が重なってレンガのような構造を形成しています。その間をセラミドなどの脂質が満たし、潤いを保ちつつ細菌やアレルゲンの侵入を防いでいます。この角質層の状態が乱れると、乾燥や炎症、かゆみ、バリア機能の低下が起こります。多くのスキンケア商品はこの角質層までしか浸透しません。つまり、化粧品によるケアはこの一番表面の層に対する「保湿」「保護」「一時的な整肌」が中心であり、肌トラブルの根本改善までは難しいことが多いのです。

真皮層は「土台」ここに届くのは、医療 だけ。

表皮のすぐ下にある「真皮」は、肌の弾力・ハリ・若々しさを保つために不可欠な層です。 ここにはコラーゲンやエラスチンといった弾力を保つ繊維が網目状に張り巡らされており、肌の土台を形づくっています。 また、毛細血管が通っており、表皮に栄養や酸素を供給する役割も担っています。紫外線や加齢、ストレスなどにより、この真皮の構造が破壊されると、しわやたるみ、くすみなどが表面に現れてきます。問題は、一般的なスキンケア製品ではこの「真皮層」まで成分が届かないという点です。医薬部外品や化粧品に配合されている成分は、法律上、角質層より深いところに作用しないよう定められているためです。

皮下組織は、肌と身体のつながりを保つ場所

最も深い層にあたる「皮下組織」は、主に脂肪で構成されています。外部からの衝撃を和らげたり、体温を維持したりするだけでなく、血管や神経が多く通っており、痛みや冷えの感覚にも関わっています。 脂肪の厚さや分布は加齢や体質によって変化し、それが外見にも影響を与えます。 医療の分野では、皮下組織へのアプローチとして脂肪溶解注射や高周波による脂肪加熱などの治療が行われることもあり、見た目の変化をより根本的にサポートすることが可能です。

肌から受け取る「サイン」に気づいていますか?

肌の不調は、単なる“外見上の悩み”ではなく、体内の変化や不調のサインであることが少なくありません。ホルモンバランスの乱れ、胃腸の調子、睡眠の質、ストレスの蓄積――こうした要因はすべて肌に表れます。 だからこそ、肌トラブルを感じたときは、一時的な対処だけで終わらせず、根本原因を探り、必要に応じて医師に相談することが重要です。保湿や紫外線対策はもちろん大切ですが、それだけでは解決できない問題も多くあります。皮膚科では、症状や肌質に合わせて薬剤や医療機器を使った治療を行うことができ、効果的で持続的な改善が期待できます。

スキンケアと医療の「ちょうどいいバランス」を見つけましょう。

スキンケア商品には「肌を整える」という意味での役割があり、日常的なケアにおいて欠かせない存在です。 清潔に保ち、適切に保湿をし、紫外線から守る――こうした日々の積み重ねは、美しく健康な肌を保つ基盤となります。 一方で、シミ・しわ・たるみ・慢性的な乾燥・ニキビ・赤みなど、「セルフケアでは改善しにくい悩み」については、医療の力を借りることが大きな助けとなります。 肌の状態に応じてスキンケアと医療のバランスを見極めることが、最も効率的で無駄のないアプローチなのです。

肌は、あなたの体と心を映す鏡です。

なんとなく保湿していた毎日を、今日から“意味のあるケア”に変えてみませんか? 肌を通して体の内側と向き合うこと、それは自分自身の健康を大切にすることでもあります。 「最近、化粧品の効果を感じにくい」「毎日のケアだけでは足りない気がする」――そんなときこそ、皮膚科で一度、肌の状態を診てもらいませんか?肌の悩みは、一人ひとり違います。 あなたに合った最適なケアと医療を、一緒に考えていきましょう。