恋愛依存症とは?|港区麻布の精神科・心療内科|Family Total Healthcare Clinic AZABU

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恋愛依存症とは?

「好き」なのに苦しい関係から、自分を取り戻すために

「相手から返信が来ないだけで、不安で何も手につかない」
「嫌なことをされても、別れることができない」
「恋愛をしていないと、自分に価値がないように感じてしまう」

そんな苦しさを抱えている方は少なくありません。
恋愛は本来、人を幸せにしたり、安心感を与えてくれたりするものです。
しかし、いつの間にか相手中心の生活になり、自分の心や日常が大きく振り回されている場合、それは「恋愛依存」と呼ばれる状態かもしれません。

恋愛依存症は、正式な医学診断名ではありません。
ただし、恋愛や特定の相手に強く依存し、心や生活が大きく揺さぶられる状態を指して使われることがあります。
単なる「恋愛体質」とは異なり、相手がいないと強い不安を感じる、生活が恋愛中心になる、苦しい関係でも離れられない、といった特徴がみられます。

恋愛依存の状態では、相手が最優先になりやすくなります。
友人との関係が減る、仕事や学校が手につかない、常にスマートフォンを確認してしまう、相手の予定や気持ちばかりを考えてしまう。こうした状態が続くと、自分の生活や心の安定が少しずつ失われていきます。

また、「嫌われたくない」「見捨てられたくない」という不安がとても強くなることもあります。
返信が遅いだけで不安になる、少し冷たい態度を取られるとパニックになる、浮気を過剰に疑ってしまう。
頭では「考えすぎかもしれない」と分かっていても、不安が止まらず、相手に何度も確認したり、SNSを見続けたりしてしまうことがあります。
さらに、本来なら離れた方がよい関係でも離れられない場合があります。
暴言、モラハラ、浮気、支配などがあっても、「自分が我慢すればいい」「この人には私しかいない」と思い込み、関係を続けてしまうことがあります。
これは単に「好き」という気持ちだけではなく、孤独への恐怖や自己肯定感の低さが関係していることもあります。

恋愛依存が起こる背景は一つではありません。
幼少期に愛情が不安定だった経験、強い孤独感、親や周囲の顔色を見て育った経験などがあると、「見捨てられたくない」という気持ちが強くなりやすいとされています。
また、恋愛中は脳内で興奮や快感、不安に関わる反応が強く起こるため、恋愛が依存行動に近づくこともあります。
大切なのは、「恋愛に夢中になること」そのものが悪いわけではないということです。
誰かを大切に思う気持ちは自然なものです。
しかし、恋愛によって自分の生活が崩れる、自分を犠牲にし続ける、苦しいのに離れられない、相手の反応だけで心が大きく揺れる場合は、一度立ち止まって考える必要があります。

改善のためには、まず「恋愛=自分の価値」になりすぎていないかを見つめることが大切です。
恋愛以外にも、趣味、友人、仕事、家族、自分だけの時間を少しずつ取り戻していくことが、心の安定につながります。相手にどう思われるかだけでなく、「自分はどう感じているのか」「この関係に安心感や尊重はあるのか」と、自分の気持ちにも目を向けてみましょう。

また、不安との付き合い方を学ぶことも大切です。
一人になる怖さ、見捨てられる不安、愛されていないかもしれないという恐怖が強いときは、その不安を相手にぶつける前に、深呼吸する、少し時間を置く、信頼できる人に話す、気持ちを書き出すなど、自分を落ち着かせる方法を持つことが助けになります。

苦しい恋愛を「愛」と勘違いしないことも大切です。
激しい不安や束縛、我慢の多い関係を「それほど好きだから」と受け止めてしまうことがあります。
しかし、本当に大切な関係には、安心、尊重、安全感があります。自分を傷つけ続ける関係を、愛情だけで抱え込む必要はありません。

もし、恋愛のことで日常生活に支障が出ている、自分を責め続けている、相手から離れられず苦しい、不安や抑うつが強い場合は、一人で抱え込まず、心療内科や精神科、カウンセリングなどに相談してみてください。
恋愛依存そのものは病名ではありませんが、うつ病、不安障害、境界性パーソナリティ障害などの精神的な問題と重なることもあります。

恋愛は、自分を失うためのものではありません。
誰かを大切にするのと同じように、自分自身も大切にしていいのです。
「愛されるために我慢する」のではなく、「安心して自分でいられる関係」を選んでいくこと。
その一歩が、苦しい恋愛から自分を取り戻すきっかけになります。