広場恐怖症|港区麻布の美容皮膚科・精神科|Family Total Healthcare Clinic AZABU

〒106-0045 東京都港区麻布十番2-14-11
ルート麻布ビル5F

精神科疾患別フォーマット PSYCHIATRY

広場恐怖症について

「電車やバスに乗るのが怖い」「人混みの中にいると息が詰まりそうになる」「外出先で急に具合が悪くなったらどうしようと思ってしまう」―― こうした不安のために外出が難しくなっている場合、広場恐怖症(Agoraphobia)の可能性があります。 広場恐怖症は、単に「広い場所が怖い病気」ではありません。 「逃げられない・助けを求めにくい状況」に対して強い不安や恐怖を感じる不安障害の一種です。

広場恐怖症とは?

広場恐怖症は、次のような場所・状況に対して、「もし体調が悪くなっても助けを得られないのでは」「逃げ場がないのでは」と感じて強い不安を抱く状態です。 よく見られる恐怖の対象 •電車やバス、飛行機などの公共交通機関 •ショッピングモールや映画館など、人が多く混み合う場所 •行列や閉鎖された空間(エレベーターなど) •一人での外出や、誰にも頼れない状況 発作的な不安(ときにパニック発作)に見舞われることもあり、「また起きたらどうしよう」という予期不安が症状の悪化を招くことがあります。 その結果、外出を極端に避けるようになったり、人と会うことを控えるようになったりして、生活の範囲が著しく制限されてしまうこともあります。

パニック障害との関係

広場恐怖症は、パニック障害と密接な関連を持つことが多い疾患です。 パニック障害の方の中には、 •「以前パニック発作を起こした場所」に行けなくなる •「また同じことが起こるのでは」と外出を避けるようになる といった回避行動を示すようになり、それが広場恐怖症として発展していくことがあります。 ただし、パニック発作がなくても広場恐怖症を発症することもあり、両者は別の診断として扱われます。

症状の特徴

広場恐怖症に見られる主な症状は以下の通りです。 •混雑した場所や公共交通機関に乗ると、不安・動悸・息苦しさを感じる •一人で外出することに強い恐怖を感じ、家に閉じこもりがちになる •外出時には誰かに付き添ってもらわないと不安になる •「発作が起きたとき助けてもらえないかもしれない」という強い予期不安がある •日常生活(通勤、買い物、旅行など)に著しい支障がある これらの状態が6か月以上続いている場合、広場恐怖症と診断される可能性があります。

診断について

診断は、問診に基づく症状の評価が中心となります。 •どのような場面で不安を感じるか •その不安が日常生活にどの程度影響しているか •パニック発作の有無 •他の疾患(うつ病、社交不安障害、強迫症など)との関係 などを丁寧に確認した上で、症状の持続期間や回避行動の有無などを踏まえ診断を行います。

治療について

広場恐怖症は、治療によって十分に改善を目指せる疾患です。 治療の基本は、薬物療法と心理的支援(認知行動療法など)の組み合わせです。 ● 薬物療法 •SSRI:不安の持続を抑える効果。効果発現まで2〜4週間程度 •抗不安薬(ベンゾジアゼピン系):即効性があるため、外出時の不安軽減や初期の補助として使用 •場合によってβ遮断薬なども併用 薬は必要に応じて最小限で調整し、副作用に配慮しながら使用します。 ● 認知行動療法(CBT) •「発作が起きたらどうしよう」という思考を見直す •避けていた状況に徐々に慣れていく段階的曝露 •恐怖を感じた際の対処法(呼吸法、リラクゼーションなど)

当院での対応について

当院では、広場恐怖症に対して、患者さんの不安に寄り添った丁寧な診療と治療を心がけています。 •「外に出るのも怖い」という方には、初期対応としてオンライン診療にも対応可能です •ご希望があれば、通院・外出の困難さに関する診断書を即日で発行可能です •薬の調整は不安が強くなりすぎないよう、少量から開始します •平日は夜22時、土日祝日は19時まで診療しており、人混みや通勤時間を避けての来院が可能です 「出かけられない」「外が怖い」と感じる状態は、決して甘えではなく、治療の対象となる症状です。 無理に頑張ろうとせず、まずはご相談ください。生活を取り戻すための第一歩を、一緒に考えていきましょう。