強迫性障害|港区麻布の美容皮膚科・精神科|Family Total Healthcare Clinic AZABU

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ルート麻布ビル5F

精神科疾患別フォーマット PSYCHIATRY

強迫性障害について

たとえば、「手が汚れている気がして、何度も洗ってしまう」「戸締まりを何度も確認しないと不安で出かけられない」「頭の中で同じ考えがぐるぐる回ってしまって止まらない」――こうした状態が続いているとしたら、それは単なる「心配性」や「きれい好き」ではなく、強迫性障害(OCD:Obsessive-Compulsive Disorder)という病気かもしれません。 本人は「やりすぎだ」と頭では理解していても、不安や違和感を抑えられずに行動を繰り返してしまうこの病気は、日常生活や仕事、対人関係に大きな支障をきたすことがあります。 治療によって症状を軽くすることは可能です。

強迫性障害とはどんな病気

強迫性障害は、不安をともなう「強迫観念」と、それに対応する「強迫行為」がセットで現れる精神疾患です。

強迫観念とは

自分の意思とは無関係に、頭に浮かんで離れない不快な考えやイメージです。 ・「手にウイルスがついているかもしれない」 ・「火を消し忘れて、火事になるかもしれない」 ・「不吉なことが起こる気がする」 ・「誰かを傷つけてしまったのではないか」 本人は「そんなことはない」と理解していても、不安が消えず、無視できないのが特徴です。

強迫行為とは

強迫観念による不安や違和感を打ち消そうと、繰り返してしまう行動です。 ・手洗いや入浴を何度も繰り返す ・戸締まり・火の元などの確認を何度もする ・順序通りでないと気が済まず、やり直しを続ける ・心の中で特定の言葉や数字を唱え続ける これらは一時的に不安を軽くすることもありますが、すぐにまた不安がぶり返すため、次第に行動がエスカレートしていきます。

よくある誤解と現実

「潔癖症とは違うのですか?」

潔癖症という言葉が日常的に使われますが、医学的には定義がありません。強迫性障害では「自分の行動がやりすぎだとわかっている」「やめたいと思っている」点が大きな特徴です。

「本人の性格の問題では?」

強迫性障害は性格ではなく、脳の働きの偏りが関係している病気です。「気にしすぎ」「自分でなんとかすべき」といった誤解は、本人をより苦しめてしまいます。

どんなタイミングで受診すべき?

・強迫的な考えや行動が1日1時間以上続く ・生活や仕事、学校に支障が出ている ・周囲の人との関係がぎくしゃくしている ・「こんなことを相談してもいいのか」と迷っている このような状況であれば、一度ご相談いただくことをおすすめします。 症状が軽くても、早めの対応が回復につながります。

治療法:薬と認知行動療法の併用が有効です

強迫性障害の治療は、薬物療法と心理的アプローチの両輪で行うのが効果的です。 薬物療法:脳内のセロトニンバランスを整える 主に使われるのはSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)というタイプの抗うつ薬です。強迫観念や不安を軽減する効果があります。SSRIはうつ病として使われるものですが、強迫性障害にも有効であることが知られています。通常のうつ病よりもやや高用量が必要になることがあり、効果が出るまでに数週間かかることもあります。 主な副作用:吐き気、下痢、眠気、性機能の変化など。副作用の程度は個人差があり、必要に応じて量の調整や薬の変更を行います。

心理療法(認知行動療法)

強迫性障害には、認知行動療法(CBT)が有効とされています。特に効果的なのが、曝露反応妨害法(ERP)という手法です。 これは、あえて不安を感じる状況に直面しつつ、強迫行為(手洗い・確認など)を行わずにやり過ごす訓練です。くり返すことで、「不安は自然に軽くなる」「行動しなくても大丈夫だった」と実感できるようになります。 さらに、「完璧でないと不安」「責任を過剰に感じる」などの思考のクセを見直すことで、不安との向き合い方が変わっていきます。

当院での対応

当院では、強迫性障害に対して、薬物療法を中心に、生活や症状に合わせたサポートを行っています。 ・平日9時〜22時、土日祝日9時〜19時まで診療 ・医師と看護師による個別対応 ・診断がついた場合には、休職や職場環境の調整に役立つ診断書を即日で発行することが可能です。 ・お仕事や家庭の都合で通院が難しい方には、オンライン診療にも対応しており、スマートフォンやパソコンからご相談いただけます。 ・必要に応じて、認知行動療法を行っている医療機関と連携可能 強迫性障害は、「わかっているのにやめられない」苦しさを抱えやすい病気です。ひとりで抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。