統合失調症|港区麻布の美容皮膚科・精神科|Family Total Healthcare Clinic AZABU

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ルート麻布ビル5F

精神科疾患別フォーマット PSYCHIATRY

統合失調症について

「誰かに見張られている気がする」「声が聞こえる」「考えが漏れているように感じる」 こうした体験が現実に思えてしまい、日常生活がうまくいかなくなる――それは、統合失調症のサインかもしれません。 統合失調症は、思考・感情・現実認識にかかわる脳の働きに不調をきたす精神疾患です。 決して珍しい病気ではなく、100人に1人ほどが生涯のうちに経験するとされています。 治療には時間がかかることもありますが、早期発見と継続的な治療によって、多くの方が安定した生活を送ることが可能です。

統合失調症とは?

統合失調症は、現実と非現実との境界があいまいになり、考えや感情、行動がうまくかみ合わなくなる状態が続く病気です。 発症年齢は10代後半から30代前半が多く、男女ともに見られます。 症状の現れ方には個人差があり、急激に悪化するタイプや、ゆっくり進行するタイプなどさまざまです。 特にこの疾患では、早期発見、早期治療が予後に大きく影響します。さらに、治療継続が非常に重要です。治療中断によって症状が再燃した場合、日常生活への影響が大きくなることが知られています。

主な症状

統合失調症の症状は、大きく「陽性症状」「陰性症状」「認知機能の障害」に分けられます。

陽性症状(通常は存在しない体験が現れる)

・幻聴(「バカにされている」「命令される」といった声が聞こえる) ・妄想(「監視されている」「誰かにコントロールされている」などの誤った確信) ・思考のまとまりがなくなる、会話がちぐはぐになる

陰性症状(通常あるはずの機能が低下する)

・感情の平板化(表情が乏しくなる、喜怒哀楽が出にくい) ・意欲の低下(身だしなみ、外出、対人関係への関心がなくなる) ・会話の減少、ひきこもり傾向

認知機能の障害

・注意力や記憶力の低下 ・物事の段取りが苦手になる ・社会的な場面での判断が難しくなる これらの症状が組み合わさり、学校や仕事、人間関係に影響が出てくることが多くあります。

発症のきっかけ

統合失調症の原因は完全には解明されていませんが、以下のような要素が関係すると考えられています。 ・脳内の神経伝達物質(特にドーパミン)の過剰な働き ・遺伝的な素因(家族に同じ病気がある場合、リスクがやや上がる) ・ストレス、孤立、睡眠不足、過労などの環境因子 これらが複雑に絡み合い、ある時点で症状として表に出てくると考えられます。

診断と治療

診断は、問診を中心に、症状の経過や生活への影響などを確認しながら行います。必要に応じて、他の病気との鑑別のための血液検査や脳画像検査を行うこともあります。 治療の柱は、薬物療法と生活支援、そして周囲の理解です。

薬物療法

統合失調症の治療では、抗精神病薬(非定型抗精神病薬)が中心となります。脳内の神経伝達物質のバランスを整えることで、幻聴や妄想などの陽性症状を改善します。 主に使用される薬剤の一例 ・クエチアピン:不安や不眠にも効果があり、穏やかな作用が特徴 ・オランザピン:陽性症状の改善効果が高いが、体重増加や眠気が出やすい ・アリピプラゾール:副作用が比較的少なく、意欲低下や感情の平坦さにも効果が期待される 薬の効果が安定するまでに数週間かかることがあり、根気よく継続することが大切です。 症状が落ち着いたあとは、再発予防のために、一定期間の服薬継続が推奨されます。

生活支援・環境調整

・ストレスの軽減:無理な勤務や人間関係の負荷を見直す ・生活リズムの安定:睡眠・食事・活動のバランスを保つ ・社会復帰支援:就労支援やデイケアなどの活用も有効 周囲の理解と支えも、回復の大きな助けとなります。

回復と予後

統合失調症は慢性的な経過をたどることもありますが、多くの方が、治療を継続することで日常生活を安定して送ることができるようになります。 再発を防ぐためには、症状が軽くなっても治療を自己判断で中断しないことが重要です。 ・病気の経過には波があります ・「良くなった」と感じても、通院と服薬を続けることが再発予防につながります

当院での対応について

当院では、統合失調症の患者さんに対して、症状の段階に応じた丁寧な治療と支援を行っています。 ・幻聴や妄想などの症状がある方にも、安心してご相談いただける雰囲気と診療体制を整えています ・薬物治療は、効果と副作用のバランスを重視しながら丁寧に調整します ・症状が強く休職が必要な方には、診断書を即日発行できる場合があります ・お仕事や家庭の都合で通院が難しい方には、オンライン診療にも対応しており、スマートフォンやパソコンからご相談いただけます。 ・平日は夜22時まで、土日祝も19時まで診療しており、通院の負担を軽減できる体制です ご本人が受診を迷っている場合でも、ご家族のみのご相談も承っております。どうか一人で抱えず、まずは一度ご相談ください。