昨今の児童精神科の必要性|港区麻布の精神科・心療内科|Family Total Healthcare Clinic AZABU

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昨今の児童精神科の必要性

子どもの“困った行動”の奥にある、こころの声に気づくために

近年、子どもたちを取り巻く環境は大きく変化しています。学校生活、家庭環境、友人関係、SNS、学習面のプレッシャーなど、子どもが抱えるストレスは以前よりも複雑になっています。

一見すると「落ち着きがない」「学校に行きたがらない」「反抗的に見える」「友達とうまく関われない」といった行動も、実はその子なりの“つらさの表現”であることがあります。

そこで今、あらためて必要とされているのが児童精神科の役割です。

児童精神科は、子どもの心の病気だけを見る場所ではありません。発達の特性、感情のコントロール、学校や家庭での困りごと、睡眠や食欲、対人関係、親子関係などを幅広く見ながら、「その子がなぜ困っているのか」「どうすれば安心して生活できるのか」を一緒に考えていく医療です。
文部科学省の調査では、令和6年度に全国の小中学校で不登校だった児童生徒は35万3,970人とされ、過去最多を更新しています。また、いじめの認知件数や暴力行為の件数も高い水準にあり、学校現場だけで子どもの心の問題を支えることの難しさが見えてきています。
また、子どもの自殺者数についても深刻な状況があります。令和6年の小中高生の自殺者数は暫定値で527人とされ、統計のある1980年以降で最多となっています。
これは、子どもの心の不調を「様子を見ればよい」と済ませるのではなく、早期に気づき、専門的な支援につなげる必要性を示しています。

子どもの心の不調は、大人のように「つらい」「不安だ」と言葉で説明されるとは限りません。腹痛や頭痛として出ることもあれば、怒りっぽさ、無気力、登校しぶり、ゲームやスマホへの依存、睡眠リズムの乱れとして現れることもあります。
本人も理由が分からず、周囲から叱られることで、さらに自信を失ってしまうことがあります。
特に、発達障害や学習の困難が背景にある場合、子どもは「わざとやっている」のではなく、「できない理由」を抱えていることがあります。厚生労働省の資料でも、発達障害の診療では、虐待、いじめ、愛着形成の問題などが重なり、二次障害として受診するケースが多く、専門性の高い治療が必要である一方、対応できる医療機関や専門職が不足していることが指摘されています。

児童精神科の大切な役割は、診断名をつけることだけではありません。子どもの特性を理解し、家庭・学校・福祉・医療が同じ方向を向いて支えるための“見立て”を行うことにあります。

たとえば、ADHDの特性がある子には、叱責よりも環境調整や見通しの提示が有効なことがあります。
ASDの特性がある子には、曖昧な指示よりも具体的な説明が安心につながることがあります。うつや不安が強い子には、「頑張れ」よりも、まず休息と安全感が必要なことがあります。

つまり、児童精神科は子どもを「問題のある子」と見る場所ではなく、その子が安心して育つための方法を一緒に探す場所なのです。

もちろん、受診には不安を感じる保護者も少なくありません。
「精神科に行くほどなのか」「診断がつくのが怖い」「学校や周囲にどう思われるか」と悩むこともあるでしょう。
しかし、早めに相談することは、決して大げさなことではありません。
むしろ、子どもが深く傷つく前に、家庭や学校だけで抱え込まないための大切な選択です。

子どもの心は、まだ発達の途中にあります。
だからこそ、環境や関わり方によって回復し、伸びていく力もたくさん持っています。大人がその子のサインに気づき、適切な支援につなげることで、子どもは「自分は分かってもらえた」「ここにいていいんだ」と感じることができます。

昨今、児童精神科が必要とされているのは、子どもたちが弱くなったからではありません。
子どもたちの困りごとが複雑になり、社会全体で支える必要が高まっているからです。

子どもの不調は、未来への警告ではなく、支援につながるためのサインです。
そのサインを見逃さず、責めず、決めつけず、やさしく受け止めること。

児童精神科は、子どもと家族が孤立しないための大切な入り口です。
子どもの「困った」の奥にある「助けて」に気づくために、今こそ、児童精神科の役割がより重要になっています。

Family Total Healthcare Clinic AZABUの児童精神科の特徴

当院の児童精神科は、お子様が安心して話せる雰囲気づくりを大切にしています。年齢や発達段階に応じて、本人面談・保護者面談・同席面談を柔軟に組み合わせ、ご本人が話したがらないときは無理に聞き出さず、まずは安心して通っていただくことを優先します。