やる気が出ないのは怠けじゃないかもしれない|港区麻布の精神科・心療内科|Family Total Healthcare Clinic AZABU

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やる気が出ないのは怠けじゃないかもしれない

心と体からの小さなSOSに気づくために

「最近、やる気が出ない」
「やらなきゃいけないのは分かっているのに、体が動かない」
「前は普通にできていたことが、なぜかしんどい」

そんな自分に対して、つい「怠けているだけかもしれない」「気合いが足りないのかな」と責めてしまうことはありませんか。

けれど、やる気が出ない状態は、必ずしも怠けとは限りません。
特に、以前はできていたことができなくなったり、やりたい気持ちはあるのに体や頭が動かなかったりする場合、心や体の不調が背景にあることがあります。参考記事でも、「やる気が出ない=怠け」と決めつけず、心身の不調が隠れている可能性に目を向けることが大切だとされています。

怠けの場合は、楽しいことならできたり、状況によって動けたり、強い苦痛感が少なかったりすることがあります。
一方で、病気や不調が関係している場合は、趣味も楽しめない、疲労感が強い、集中できない、朝起きられない、自分を責め続けてしまうなど、本人自身も苦しんでいることが少なくありません。

やる気の低下に関係する代表的なものの一つが、うつ病です。
うつ病では、気分の落ち込みだけでなく、興味や喜びの低下、強い疲労感、思考力や集中力の低下などが起こります。
「頑張ろう」と思っても、脳や心がエネルギー切れのような状態になり、思うように動けなくなることがあります。これは、本人の甘えや弱さではなく、医学的な不調として考える必要があります。

また、ADHDの特性がある場合も、「やるべきことに取りかかれない」「集中が続かない」「先延ばしをしてしまう」「忘れ物が多い」といった様子から、周囲に怠けていると誤解されることがあります。
しかし実際には、脳の実行機能の働きに関係していると考えられています。
本人は困っているのに、周囲から叱られ続けることで、さらに自信を失ってしまうこともあります。

さらに、仕事や家事、介護、育児などを長く頑張り続けた後に起こる燃え尽き症候群、睡眠不足や睡眠の質の低下、貧血や甲状腺機能低下、慢性疲労、栄養不足などの身体の病気でも、やる気の低下が起こることがあります。
つまり、「やる気が出ない」という一つの症状の裏には、心だけでなく体の不調が隠れている場合もあるのです。

大切なのは、動けない自分を責めすぎないことです。
「自分はだめだ」
「みんなはできているのに」
「もっと頑張らなきゃ」

そう思えば思うほど、心のエネルギーはさらに削られてしまいます。
動けない、責める、さらに落ち込む。そんな悪循環に入ってしまうこともあります。
やる気が出ないときほど、まずは「今の自分は疲れているのかもしれない」と受け止めてあげることが大切です。

対処としては、まず休むことが大切です。
気合いだけで無理に動こうとすると、かえって悪化してしまうことがあります。
次に、「全部やる」ではなく、「5分だけ」「机に座るだけ」「外に出るだけ」など、小さな行動から始めると、少し動きやすくなることがあります。
また、朝日を浴びる、夜更かしを減らす、食事を整えるなど、睡眠や生活リズムを見直すことも大切です。
もし、やる気の低下が数週間以上続いている、仕事や学校、家事に支障が出ている、強い苦痛がある、自分を責める気持ちが止まらない、消えてしまいたいと感じることがある場合は、一人で抱え込まず、心療内科や精神科、かかりつけ医に相談してください。相談することは、決して大げさなことではありません。
自分を守るための大切な選択です。
外から見ると「怠け」に見えることでも、本人の内側では、心が限界を迎えていたり、脳が疲れ切っていたり、体が休息を求めていたりすることがあります。

やる気が出ない日は、自分を責める日ではありません。
心と体の声に耳を傾ける日です。

「動けない自分」ではなく、
「今まで頑張ってきた自分」に気づいてあげること。

そこから、回復への小さな一歩が始まります。